市営住宅への入居後、収入が増減しても家賃は同じですか?
世帯の所得が変われば家賃も変動します。入居者は毎年1回決まった時期に「収入申告手続き」を行い、その都度家賃の見直しが行われます。収入申告とは、世帯の前年の収入状況を提出してもらう手続きを指し、公営住宅の入居者は必ず申告書を提出せねばなりません。万が一、申告の手続きを行わない場合、自治体によっては家賃が上がる等のペナルティがありますので、ご注意ください。
また、公営住宅では家賃の増減に応じて受けられる制度や、負うべき義務が発生します。
世帯収入が著しく減少した場合、家賃減免制度があります
入居後、急病による長期療養やリストラによる失職等で、世帯収入が著しく減少し、家賃の支払いさえ困難になることも、時にはあるかもしれません。そのような時のために、公営住宅では一定期間、家賃を減免・減額できる制度を設けています。通常、受理された場合は申請の翌月から適用となり、要件が合えば、更新もできます。
この家賃減免制度を受けるためには、入居者からの申請が必要です。自治体ごとに対象者や減免率等の基準が異なりますので、詳細は管轄の自治体にお問い合わせください。
◆関連リンク:公営住宅の家賃減額・減免制度とはどのようなものですか?
収入が基準額を超過した場合、住宅の明け渡し義務が発生します
反対に世帯収入が増えた場合はどうでしょう。
下表は国土交通省の資料です。このように、公営住宅の基準額を一定額以上超過すると、入居後3年を経過した時点で「収入超過者」と認定されます。収入超過者には、住宅の明け渡し努力義務に加えて、近隣の民間賃貸と同等の家賃を上限に、高額な割増家賃が課せられます。
さらに、入居後5年以上経過し、直近2年間の世帯収入が基準額を一定額以上超過した場合、「高額所得者」と認定され、住宅の明け渡し義務と、近隣の民間賃貸と同等の家賃が課せられます。指定された期日までに明け渡しに応じない場合、以降の家賃額は近隣の民間賃貸の2倍相当額以下まで引き上げられます。
引用:国土交通省「公営住宅制度の概要について」