母子家庭は市営住宅に向いていますか?
母子・父子家庭の方にとって、最も大きな負担となるのは、家賃ではないでしょうか。公営住宅の魅力のひとつに、家賃の安さがあります。一般的に、民間賃貸住宅と比べても、公営住宅の家賃は割安です。
加えて、市営住宅や県営住宅などの公営住宅には、母子・父子世帯や障がい者、高齢者など、収入が一定額以下の方を対象にした、家賃減免制度があります。
そうした意味でも、市営住宅や県営住宅は、生活コストを抑えたいひとり親家庭の方向けと言えます。候補のひとつとして、積極的に検討してみると良いでしょう。
以下に、公営住宅の家賃基準や減免基準等について、簡単にご説明します。
■公営住宅の家賃について
通常、1万円前後から5万円台の場合が多いです。公営住宅の家賃は住宅の規模や立地条件だけでなく、入居希望者の収入に応じて決定されます。そのため、同じ物件でも世帯ごとに家賃が異なるのが一般的です。
また、各自治体は近隣の家賃相場を踏まえて管轄区の家賃を決定しているため、基本的に地価が高い人気のエリア(かつ、築浅)であるほど公営住宅の家賃も高額となる傾向があり、地域差があります。このため、郊外で築年数が古い等、条件が揃えば、5千円前後の家賃で居住できる場合も少なくありません。
■家賃の減免基準について
減免基準は自治体によって異なりますが、一般的に世帯の月収額に応じて減免率が変わります。母子家庭の場合、子供の年齢に応じて一般の世帯よりも緩やかな減免基準を設けている自治体もあります。
ただし、家賃減免制度は申請制ですので、入居者が申請しない限り、減免を受けることはできません。まずは、管轄の自治体の担当窓口に詳細を問い合わせてみると良いでしょう。
■市営住宅の立地、自治会等について
市営住宅は多くの家族が入居するため、住みやすい地域に建設されることが一般的です。通学や買い物に便利な場所や、周囲に住宅が密集している地域に建てられることが多いです。一方で、掃除当番や自治会などのデメリットも存在します。
市営住宅には独自の自治会があり、役員の交代や月に一定回数の掃除当番があることがあります。草取りやゴミの片付けなどは入居者が担当し、周期は各住戸ごとに異なります。また、役職の順番による役割分担もありますが、順番で班長やその他の役職に就く可能性があります。いずれも強制ではありませんが、自治会ごとに決められたルールがあることは念頭に置いておくと良いでしょう。