市営住宅で保証人がいない場合、どうすればいいですか?

市営住宅で保証人がいない場合、どうすればいいですか?

保証人規定を設けている自治体の中には、特例措置として保証人の免除規定を設けている場合も少なくありません。その場合、自治体が定める一定の要件に該当すれば、保証人を確保できなくても公営住宅へ入居できます。

免除規定の有無はホームページ上に掲載されていない場合も多いですが、各自治体がWeb上で公開している市条例(市営住宅条例や施行規則)で確認ができますので、まずは免除規定の有無を確認してみると良いでしょう。

ただし、免除規定がある場合でも具体的な要件については非公開となっている場合も多く、条例上でも「特別な事情がある場合を除く」といった記述に留まっている場合も多々あります。

では、具体的にどのようなケースであれば保証人の免除が認められるのかというと、主に下記のようなケースに集約されます。

 

■保証人の免除が認められる主な要件

1.生活保護受給者(代理納付適用者)
2.DV被害者
3.高齢単身者
4.障がい(身体・知的・精神)のある単身者
5.被災者
6.機関保証を利用できない者

出典:総務省「保証人の確保が困難な人の公営住宅への入居に関する調査」調査結果(令和4年度)

 

上記1~5は「とくに居住の安定を図る必要がある者」として、単身入居が認められている方々です。実際に、単身要件に該当する方を免除の対象としている自治体は少なくありません。

参考までに、下記は兵庫県加西市の保証人の免除規定です。このうち、1は単身要件の該当者(60歳以上の方、一定の障がいがある方、生活保護受給者、DV被害者、ハンセン病療養者、引揚者、原子爆弾被爆者等)を指しています。

 

【連帯保証人の免除】

(1) 条例第6条第2項に規定する者
(2) 住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第30条の45に規定する外国人住民
(3) 被災市街地復興特別措置法(平成7年法律第14号)第21条に規定する被災者及びそれに準ずる者

出典:加西市営住宅の設置及び管理に関する条例施行規則

 

このほか、親族はいるものの、生活保護受給中や介護認定を受けている要介護者、行方不明等の場合も免除が認められる可能性があります。

自治体ごとにそれぞれ、独自の基準を設けていますので、個人の努力をもってしても、保証人の確保が困難な事情をお抱えの方は、管轄の自治体へご相談ください。

 

■解決しない場合は…

自治体側で保証人の免除規定を設けておらず、自治体への相談でも問題解決に至らない場合は、市が指定する家賃債務保証会社の保証サービスを利用することができます。

債務保証会社とは、入居者が期日までに家賃を払わなかった場合、契約により家賃を立替払いしてくれる保証会社です。債務保証会社との契約には審査が必要ですが、債務保証会社へ保証委託料を支払えば、連帯保証人の代わりになってもらえるというメリットがあります。

ただし、家賃をどれほど滞納しても、債務保証会社が代わりに払ってくれると安易に考えるのは危険です。家賃を滞納し、債務保証会社が立替払いをした場合、立替金や手数料などの支払いを債務保証会社から請求されますので、注意しましょう。

入居中に連帯保証人を変更する場合など、新たな連帯保証人が見つからない場合や、入居者の状況が変化して連帯保証人を変更する必要がある場合も同様に、家賃債務保証業者の保証サービスの利用もひとつの方法として検討してみることをおすすめします。

◆関連リンク:市営住宅や県営住宅に入居するには保証人が必要ですか?
◆関連リンク:公営住宅における、連帯保証人の極度額とは?

 

その他のQ&A

条件が合わずに入居できない場合は・・・

世帯所得が15万8千円(月額)を超過するなどの理由で入居条件を満たせず、市営住宅・県営住宅の申込みができない場合は、各都道府県や市区町村の「公社賃貸住宅」や「セーフティネット住宅」、「UR賃貸住宅」といった公的賃貸住宅の利用を検討してみましょう。
詳細は各団体にお問い合わせください。

公社賃貸住宅

公社賃貸住宅とは、国や地方自治体の出資によって設立された法人「地方住宅供給公社(略称:JKK)」が所有・管理している賃貸住宅を指します。
地方住宅供給公社の数は、2020年4月時点で、全国に37公社(都道府県:29公社、政令指定都市:8公社)となっています。
東京都の「東京都住宅供給公社」や、神奈川県の「神奈川県住宅供給公社」もその1つです。
公社賃貸住宅の大きな特徴として、
・礼金や仲介手数料が発生しないため、入居時の初期費用を抑えることができる
・18歳未満の子供がいる家庭や、高齢の方がいる家庭などは、優先的に申し込みが可能
という点が挙げられます。
全国の住宅供給公社一覧

セーフティネット住宅

住宅セーフティネット制度(最低限の安全を保障する社会的制度)の一環として経済的に困窮されている方をはじめ、高齢者や障碍者、子育て世帯、外国人、災害被災者など住宅にお困りの方々を対象に、安全かつ良質な住まいとして登録された住宅(セーフティネット住宅)を指します。
住宅確保要配慮者であっても入居を拒まれることはありません。
家賃や保証料の減免・補助が受けられる場合もあります。
セーフティネット住宅情報システム

UR都市機構

UR都市機構が都市公団から受け継いだ、全国約71万戸の賃貸住宅です。
UR賃貸住宅は新築を除き、多くの場合空きがある限り、無抽選・先着順受付で入居が可能です。
保証人だけではなく、礼金、手数料、更新料も不要で、割引制度も充実しています。
ワンルームタイプからファミリー向けまで、間取りの豊富さや広さも魅力の1つです。
UR賃貸住宅

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