市営住宅や県営住宅に入居するには保証人が必要ですか?
近年では政令指定都市を中心に、各自治体で連帯保証人廃止の動きが広がっています。これは、身寄りがなく、保証人の確保が困難という理由で入居ができない高齢単身者が増えたためです。国でも、2018年に国土交通省が公営住宅の入居に際し、保証人を求めない方針を打ち出しています。
保証人を廃止した自治体では、緊急連絡先の届け出を求めていますが、緊急連絡先の用意が困難な場合は、相談次第で不要になる場合もあり、従来に比べると、市営住宅入居へのハードルは確実に下がりつつあります。
現在でも保証人要件を存続している自治体は多数ありますが、特例措置として保証人の免除規定を設けている場合も多いです。自治体ごとに基準はさまざまですが、自治体が定める「特別な事情があると認める者」に該当する場合は、保証人を立てずに入居することができます。保証人の確保に不安がある場合は、まず自治体の窓口へご相談されてみることをおすすめします。
また、公営住宅入居時の保証人代行に関して、独自の取り組みを行っている自治体もあります。たとえば、長野市では市営住宅の入居時に連帯保証人を必須(令和4年12月現在)としていますが、連帯保証人の確保が困難な場合は、入居保証・生活支援事業を担う長野県社会福祉協議会の「あんしん創造ねっと」の活用や長野市福祉事務所長の意見書により、入居要件を満たしていれば、入居できるようにしています。
相談しても問題が解決せず、どうしても連帯保証人が見つからない場合は、保証会社の「保証人代行サービス」の利用を検討してみると良いでしょう。保証人代行サービスとは、保証会社が入居者の家賃支払い能力を保証し、連帯保証人の役割を代行するサービスです。
◆関連リンク:市営住宅で保証人がいない場合、どうすればいいですか?
◆関連リンク:公営住宅における、連帯保証人の極度額とは?
【公営住宅における、連帯保証人とは】
連帯保証人は、賃貸契約書において保証人として指定され、債務者とともに債務返済の責任を負います。
以下は一例ですが、連帯保証人になるためには、このような条件が義務付けられています。条件は自治体ごとに異なります。
・入居者の親族であり、近隣に居住していること。
・年収が200万円以上あり、身元および家賃等の保証ができること。
・市町村税を完納していること。
連帯保証人になった方は、入居契約時に契約書に住所と氏名を記入し、実印を押印する必要があります。また、印鑑登録証明書や所得証明書、市町村税の完納証明書などの書類を提出する必要もでてきます。連帯保証人の極度額については、各自治体が策定している市営住宅条例等に明記されていますので、例規集よりご確認いただくと良いでしょう。